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これから日本酒通になりたい方へ

日本酒のラベルを見ると特殊な品質表示と専門用語が並んでいて、意味が分からないことがよくあると思います。ここでは日本酒のラベルによく書かれている言葉を分類してわかり易く解説しています。
このページは、弊社の醸造責任者(能登杜氏 兼 ヘッドブルワー)がサイト訪問者様の日本酒への理解を深めていただく一助になることを目的に、酒造上の一般知識や専門知識をもとに記載しております。
弊社の特定の商品の販売や購入を促進するためのページでないことをご理解の上でご利用下さい。

【目次】

※各項目をクリックしていただくと各々の詳細が掲載されます。

  1. 日本酒の原材料
    1)米  
    2)酵母  
    3)副原料  
    4)水
  2. 日本酒の造(つく)り
    1)酒母(しゅぼ) 
    2)もろみ
  3. 日本酒の種類
    1)アルコール添加(てんか)の有無  
    2)特定名称酒と普通酒
    3)品質保持の方法の違いによる分け方 
    4)新酒と古酒
  4. 家庭での日本酒の楽しみ方
    1)好みの酒を選ぶ) 
    2)美味しく飲むコツ 
    3)楽しんで飲む
  5. 酒造りの仕組み
    1)発酵(発酵)           
    2)糖化(とうか)
    3)酒造りの基本的な三つのパターン 
    4)蒸留(じょうりゅう)

1.日本酒の原材料

1)米

日常的に食べている「一般米」でもお酒を造ることは出来ますが、一般的には「酒造好適米」と言われるお酒専用のお米を使用します。
「酒造好適米」は粒が大きく、「心白(しんぱく)」と呼ばれる 米の中心部に白い不透明な部分が見られるお米です。デンプンの含有量が多いため、日本酒造りに最適です。
「一般米」は「酒造好適米」に較べると、粒が小さく、デンプン含有量が少なく、タンパク質が多く含まれているため、主にご飯として食べられます。

【お米を色々な方法で加工することで、徐々に日本酒が出来上がります。】

玄 米 精 米
白 米 蒸 す
蒸 米 カビさす

「主要な原料米の特性」
山田錦‥‥‥生酒では少しライムのような風味、火入れすると焼き栗のような風味。
美山錦‥‥‥少しマーマレイドやオレンジのような柑橘系の風味。
五百万石‥‥特にない(クセがほとんどない)。
雄町‥‥‥‥生酒では少しパッションフルーツ系、火入れすると少しチョコレートの風味。
八反錦‥‥‥山田錦と五百万石の中間。あまりクセはない。
亀の尾‥‥‥生酒では少し洋梨の風味。火入れすると少しココアの風味。

(1)精米(せいまい)
お米は籾殻のついた「玄米」の状態では、食べても、お酒にしても、あまり美味しくありません。
そこで、「玄米」を磨きながら削って、米を白い「白米」にします。
このことを「精米(せいまい)」もしくは「精白(せいはく)」といいます。

玄 米 精 米
白 米 糠(ぬか)

【精米歩合】
「精米」の程度を表すのが、「精米歩合」です。
「精米」の程度が高いほど(糠として削り取られる割合が大きいほど)、「精米歩合(%)」は小さくなります。

精米歩合(%) 精米した後の白米の重量(kg) × 100
玄米の重量(kg)

普通食べるお米は、「約8%」削って「約92%」を食べます。
お酒に使うお米は、「普通酒」でも「約30~25%」削って「約70~75%」、「吟醸酒」では「約50~40%」削って「約50~60%」、「大吟醸酒」に至っては「約70~50%」削って「約30~50%」をお酒にします。
米は精米をするほど、より香り高く、よりすっきりしたお酒になります。

(2)蒸米(むしまい)
普通食べるお米は、水と一緒に炊きますが、お酒に使うお米は蒸気で蒸します。
そのため普通に食べるお米より水分が少なくパサパサしています。
「炊かず」に「蒸す」理由は、「炊いた米」より「蒸した米」のほうが、「麹カビが繁殖しやすいこと」、「パサパサしていて扱いやすいこと」、「ゆっくり発酵されてお酒が美味しくなること」が主な理由です。
白米 + 蒸気 → 蒸米

(3)麹(こうじ)
蒸米を高温多湿でカビさせたものです。
蒸米全体の約20%を麹にして、残り80%の蒸米(「掛米(かけまい)」と言われる)と一緒に使われます。
蒸米 + カビ(黄麹菌) → 麹
日本酒で使われる麹は、黄麹菌(きこうじきん)というカビを生やさせたものです。
味噌や醤油に使う麹も同じ黄麹菌ですが、若干性質は違います。
九州の焼酎に使う麹は白麹菌(しろこうじきん)、沖縄の泡盛に使う麹は黒麹菌(くろこうじきん)を使用します。

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2)酵母

日本酒の香りと味を大きく左右するのが「酵母」です。その中心が日本醸造協会が保管する清酒専用の「協会酵母」です。末尾に「01」とつくのは、同じ酵母で発酵時に「泡」が出ないタイプ。最近は「協会酵母」以外で、各県単位で開発した酵母や各蔵ごとで保管する「蔵内酵母」の使用も増えています。
「主要な協会酵母の特性」
6号・601号‥‥澄んだ香り。おとなしい。上品。
7号・701号‥‥少しフローラル。クセはないが、少し品がない。もっともポピュラー。
9号・901号‥‥フローラル。上品。少しセメダイン臭。吟醸酒でポピュラー。
10号・1001号‥‥少しシトラスの風味。上品。
14号・1401号‥‥熟したリンゴや洋梨の香り。上品。少しセメダイン臭。
1501号(AK-1)‥‥かなりフローラル。上品。熟成させると香りが劣化。新酒向き。
1601号(旧86号)‥‥かなりフルーティー。熟成させると香りが劣化。新酒向き。

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3)副原料

日本酒の副原料の主なものは、「醸造アルコール」と「調味のための副原料」です。
(1)醸造アルコール
「醸造アルコール」とは、簡単に言えば、焼酎をさらに蒸留して、限界までアルコール度数(95%)を高めた純粋なアルコールです。
(2)調味のための副原料
「調味のための副原料」には様々なものがありますが、甘味を補う「糖類」、飲み応えを補う「酸味料」、旨みを補う「アミノ酸」などに分けることが出来ます。
a)糖類‥‥ブドウ糖、水あめ
b)酸味料‥‥乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸
c)アミノ酸‥‥グルタミン酸ナトリウム

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4)水

日本酒の成分の約8割は水です。
それだけに水は日本酒の品質に大きな影響を与えます。日本酒に使用する水は一般の飲料水以上に厳しく管理する必要があります。
異味・異臭がなく、無色透明で、衛生的であることはもちろん、適度にミネラルが含まれていることも重要です。
日本酒にもっとも有害な成分は「鉄分」です。「鉄分」は日本酒の色を濃くして褐色化し、味や香りを悪くします。そのため、日本酒造りには「鉄分」の少ない水が使用されます。

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2.日本酒の造(つく)り

1)酒母(しゅぼ)

「もと」とも言います。
「酒母」とは、「麹」・「蒸米」・「水」に「酵母」を加え、「乳酸」を 利用することで他の雑菌の繁殖を防ぎながら、「酵母」を大量に育てるための「予備の発酵」です。
「発酵」についての詳細は、こちらをご覧下さい。
酒母 = 麹 + 蒸米 + 水 + 酵母 (+ 乳酸)
「乳酸」の利用の仕方で「酒母の種類」が違ってきます。

(1)速醸系酒母
「酒母」に直接「醸造用乳酸」を添加します。
日本酒の95%以上は、この速醸系酒母によって造られています。
淡麗な酒を造る場合には、速醸系酒母が向いています。

(2)生もと系酒母
天然の「乳酸菌」を自然増殖させて、「乳酸」を得ます。「山廃もと」とさらに手間のかかる「生もと」に分かれます。山廃と生もとの違いは、生もと特有の「山降ろし」という作業をするかどうかの違いであり、その違いにより米の溶け具合にも差が出て、それが僅かな味の違いとなることがあります。
時間と手間が掛かりますが、日本酒本来の正統な造り方であることは間違いありません。
よく出来た生もとの酒は、熟した柿のような香りと独特の味幅のある仕上がりになります。

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2)もろみ

タンク内で「酒母」に、さらに 原材料(「麹」・「蒸米」・「水」)を加えて混ぜたものが「もろみ」です。
原材料(「麹」・「蒸米」・「水」)は、通常は3回に分けてじょじょに量を増やしながら加えます。このことを「三段仕込」といいます。
「四段仕込」とは、通常の「三段仕込」に加え、しぼる少し前に少量の4回目の原材料(「糖化した蒸米」・「水」)を加える方法のことをいいます。
「糖化」についての詳細は、こちらをご覧下さい。
もろみ = 酒母 + 麹 + 蒸米 + 水
「もろみ」は、しぼることで「清酒」になります。アルコールを添加する場合には、しぼる少し前にアルコールを「もろみ」に加えます。

もろみ しぼる
清 酒 酒かす

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3.日本酒の種類

日本酒は「アルコール添加の有無」、「特定名称酒と普通酒」、「品質保持の方法の違い」、「新酒と古酒」などによって色々な分け方をされます。

1)アルコール添加(てんか)の有無

(1)アルコール添加していない酒
醸造アルコールを添加していないお酒です。
いわゆる「純米酒」ですが、以前は規定で「精米歩合が70%以下」でないと「純米酒」と表示することは出来ないことになっていましたが、平成16年1月の改正で「精米歩合」の規定がなくなりました。これからさらに米の味の多いタイプの商品が商品化されることが予想されます。
米本来の味わいとしっかりとした飲み応えが特長です。
【戦前のお酒は、基本的に全ていわゆる純米酒でした。】
戦後の食糧難の時代からしばらくは米不足のため、大量に醸造アルコールを添加したお酒が市場の大半を占めました。そのなごりで一昔前までは、大量に醸造アルコールと調味のための副原料を添加した美味しくないお酒を 大量生産・大量販売していたメーカーもあります。
しかし、最近では、消費の多様化、消費者の安くても良いものを求める時代の変化の中で、「純米酒」や低価格の「米だけで造った酒」などの醸造アルコールを添加していない商品も増えてきています。
(2)アルコール添加した酒  略称「アル添酒(てんしゅ)」。
醸造アルコールを添加したお酒です。
アルコールの添加をするようになったのは、古くは、17世紀後半の関西地区での「柱焼酎(はしらしょうちゅう)」の添加にまでさかのぼることが出来ます。
本格的に醸造アルコールの添加がされるようになったのは、戦時中の昭和18年(1943年)からであり、それほど昔のことではありません。
低価格の「普通酒(ふつうしゅ)」から特定名称酒の「本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)」や「吟醸酒(ぎんじょうしゅ)」、「大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ)」もアルコール添加したお酒です。
しかし、「普通酒」でのアルコール添加と「本醸造酒」や「吟醸酒」、「大吟醸酒」でのアルコール 添加では、目的がはっきりと違います。
普通酒でのアルコール添加の目的は、コストパフォーマンスを向上させるためのものです。
「本醸造酒」でのアルコール添加は、主に飲み応えを抑えてすっきり飲めるようにするためのものです。
「吟醸酒」、「大吟醸酒」でのアルコール添加は、主に吟醸酒ならではのフルーティーな吟醸香を際立たせるためのものです。(「もろみ」をしぼると香りは、酒粕にとられてあまり残りませんが、アルコールを添加すると、アルコールは水よりも香りの成分をよく吸収するため、酒に香りの成分が比較的多く残ります。)

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2)特定名称酒と普通酒

(1)特定名称酒
簡単にいうと、製造コストの高い日本酒です。
「アルコール添加」は「醸造アルコールの使用量が少ないほどコストが高く」、「精米歩合」は「数字(%)が小さければ小さいほどコストが高く」なります。
a)特定名称酒の条件
・醸造アルコールを「使用しない」、もしくは「使用しても原料白米の総重量の10%以下」しか使用できない。
・調味のための副原料は一切使用してはいけない。
・精米歩合は「70%以下」でないといけない。(純米酒は例外)
・原料米は高品質なもの(3等以上)だけを使用する。
b)特定名称酒の種類

特定名称 使用原料 精米歩合 一般的な特長
本醸造酒 米・米麹・ 醸造アルコール 70%以下 すっきり飲めて程よい味わい
特別本醸造酒 米・米麹・ 醸造アルコール 60%以下 本醸造酒より軽やかで程よい味わい
純米酒 米・米麹 規定無し 本醸造酒より軽やかで程よい味わい
特別純米酒 米・米麹 60%以下 純米酒より軽やかで程よい味わい
吟醸酒 米・米麹・ 醸造アルコール 60%以下 程よい香りとすっきりした飲み口
純米吟醸 米・米麹 60%以下 穏やかな香りと程よい味わい
大吟醸 米・米麹・ 醸造アルコール 50%以下 香り高く軽やかな味わい
純米大吟醸 米・米麹 50%以下 程よい香りと程よい味わい

(2)普通酒
簡単に言えば、醸造アルコールを多く使う普通のお酒です。「特定名称酒」以外のお酒とも言えます。精米歩合の規定はないので、一般的に「70%以上」のあまり磨いていない白米を使用し、バランスをとるために醸造アルコールをたくさん使います。
しかし、実際には、「調味のための副原料」を使っていない「普通酒」と「調味のための副原料」を使って、さらに大量の醸造アルコールを使用してコストの安い「増醸酒」とに分けることが出来ます。

名 称 使用原料 精米歩合 一般的な特長
普通酒 米・米麹・ 醸造アルコール 規定無し すっきり飲めて程よい味わい
増醸酒 米・米麹・
醸造アルコール・
糖類・酸味料・アミノ酸
規定無し するっと飲めてさっぱりした味わい

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3)品質保持の方法の違いによる分け方

(1)生酒(なまざけ)
加熱殺菌を一切していないお酒です。
クール宅急便の普及、冷蔵設備の向上などにより、現在では生酒が気軽に楽しめるようなりました。
保存性は良くないので、冷蔵しないと品質が大きく損なわれることがあります。
生酒ならではの香りと味が楽しめます。
(2)生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)
加熱殺菌をしない生の状態で貯蔵し、出荷の際に加熱殺菌をするお酒です。
生の状態で貯蔵するので、加熱殺菌してから貯蔵するお酒より熟成が進みます。
出荷の際に加熱殺菌をすることで保存性は良くなりますが、生の風味は なくなります。
(3)生詰酒(なまづめざけ)
ろ過をして大半の酵母や酵素を取り除き、さらに加熱殺菌(火入れ(ひいれ))をして、残っている酵母や酵素の活動を停止させた状態で貯蔵し、出荷時には加熱殺菌せずにそのまま詰めるお酒です。
(4)火入れ酒(ひいれざけ)
ろ過をして大半の酵母や酵素を取り除き、さらに加熱殺菌(火入れ(ひいれ))をして、残っている酵母や酵素の活動を停止させた状態で貯蔵し、出荷時にもう一度加熱殺菌したお酒です。
特に表示がなければ、一般の清酒は、保存性の良い、この「火入れ酒」です。
本来、日本酒は繊細で保存性は決してよくありません。火入れをすることで日本酒の保存性は高まり、流通にも耐えることが出来るようになります。

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4)新酒と古酒

日本酒はアルコール度数が高く保存性が良いため、「賞味期限」はありません。
日本酒には製造時期を表す表示として、「製造年度」と「酒造年度」の二つがあります。
「製造年月」は製造者である蔵元から出荷された年月を意味します。
「酒造年度」はその酒が製造された「年度」を意味します。
日本酒の「酒造年度」は会計年度(4月~3月)などとは異なり、「7月から翌年の6月まで」と変わっていて、なおかつ「7月」時点の年度で表示します。
例えていうと、「平成16年6月に製造した酒」でも「酒造年度」は「平成15酒造年度」となります。
日本酒は通常半年ほど熟成してから出荷されるので、「酒造年度」が1年以上前であることは問題なく、むしろ十分な熟成期間をとっていることを意味します。
しかし、「製造年月」には注意が必要です。
日本酒は基本的に腐ることはありませんが、ワインほど酸味が強くないので、ワインよりはるかにデリケートな酒です。保管温度が高かったり、日光や蛍光灯から紫外線を浴びたりすると品質がじょじょに劣化していきます。
蔵元本来の味を楽しみたいなら、「製造年月」はなるべく新しい酒を選びましょう。目安として、「製造年月」から「6ヶ月」以上過ぎている酒は購入を控えたほうが無難です。
(1)新酒(しんしゅ)
一般的に「新酒」として売られているお酒は、その年の秋に取れたお米で造った出来たてのお酒です。
とくに「新酒」について厳密な規定はありませんが、加熱殺菌をしていない 生酒の商品がほとんどです。
ろ過をしていない「無ろ過」の商品も多く、生きている「生酵母」が豊富に含まれています。
「生酵母」はタンパク質とビタミンBが豊富な栄養源であり、消臭効果もあるのでおすすめです。
「しぼりたて」、「初しぼり」などの商品名で売られることも多いようです。
新酒ならではのフレッシュ な香りと味が楽しめます。
(2)古酒(こしゅ)
一般的に「古酒(こしゅ)」といえば、長期間にわたって熟成した「沖縄の泡盛の古酒(クースー)」や「中国の老酒(らおちゅう)」、「ウイスキー」などのお酒を イメージすると思いますが、日本酒では若干異なります。
日本酒は通常、冬から春(11月~4月ぐらい)の間に造られた新酒が、加熱殺菌(火入れ(ひいれ))をした後に、ひんやりした蔵の中でじっくり貯蔵されて、夏を越して、秋 になった頃に、程よく熟成されて味がのった状態で、はじめて商品として出荷されます。
日本酒では、このようなお酒も「古酒(こしゅ)」といいますし、さらに長期間熟成したお酒も「古酒(こしゅ)」といいます。
競馬の「新馬」と「古馬」の分け方に似ています。
(3)長期熟成酒(ちょうきじゅくせいしゅ)
長期間(3年~5年以上)熟成したお酒です。
古酒(こしゅ)の定義は少しあいまいなので、長期間熟成したお酒を積極的に販売しているメーカーでは「長期熟成酒」、「秘蔵酒」などの名前で、通常の商品との差別化をしています。
中には10年熟成、15年熟成といった商品もあり、日本酒とは思えないような独特の味わいの世界を創り出しています。中国の紹興酒に近いイメージの商品も数多くあります。
高価ですので少量ずつ飲むタイプのお酒でですが、まろやかで体にも優しく、量を飲んでも二日酔いになりにくいお酒です。

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4.家庭での日本酒の楽しみ方

1)好みのお酒を選ぶ

(1)辛口・甘口
よく「辛口・甘口」という言葉を耳にします。
「辛口」とは「アルコールを強く感じる味」、「甘口」とは「甘味を強く感じる味」 と言えます。
日本酒で「辛口・甘口」の目安となるのが「日本酒度」です。
一般的に「日本酒度」は「0」が基準で、「+」なら「辛口」、「-」なら「甘口」 と言われています。
市販酒でいうと、「日本酒度」は「-1~+1」が目安で、「それ以下(~-2)」 なら「甘口」、「それ以上(+2~+5)」なら少し「辛口」、「さらにそれ以上(+6~)」なら 完全に「辛口」と言えます。
しかし、実際に「辛く」感じるか、「甘く」感じるかは、「酸度」が関係してきます。
「日本酒度」が同じ数字の場合、
「酸度」が高い(濃醇)と「甘口」でも、あまり「甘く」感じませんが、
「酸度」が低い(淡麗)と「甘口」だと、かなり「甘く」感じます。
逆に、
「酸度」が高い(濃醇)と「辛口」だと、かなり「辛く」感じますが、
「酸度」が低い(淡麗)と「辛口」でも、あまり「辛く」感じません。
これは、糖分の含量が同じものでも、酸味の少ないミカンやリンゴのほうが 甘く感じるのと同じ理屈です。

(2)飲み応え
「淡麗(たんれい)・濃醇(のうじゅん)」 という言葉を耳にすることがあると思います。
「淡麗」とは「すっきりした口当たり」、「濃醇」とは「どっしりした口当たり」 と言えます。
日本酒で「淡麗・濃醇」の目安になるのが「酸度」です。
「酸度」とは「酸味」や「旨み」の成分である「乳酸」、「コハク酸」、「クエン酸」、「リンゴ酸」などの「酸」の量をあらわします。
一般的に、「酸度」の数字が高いほど「飲み応え」があり、ワインで言うところの「ボディー」があるお酒と言えます。
市販酒でいうと、「酸度」は「1.5~1.7」が目安で、「それ以下(1.0~1.4)」 なら「淡麗」、「それ以上(1.8~)」なら「濃醇」と言えます。

(3)コク・旨み
よくお酒で「コクがある」・「旨みがある」と言うことがあると思います。
日本酒で「コク・旨み」の目安となるのが「アミノ酸度」です。
一般的に「アミノ酸度」の数字が高いほど「コク・旨み」があるお酒と言えます。
「アミノ酸度」の目安になるのが、そのお酒の「酸度」です。
そのお酒の「酸度」より、「アミノ酸度」が高いお酒は「コク・旨み」を強く感じます。
そのお酒の「酸度」より、「アミノ酸度」が低いお酒は「コク・旨み」を弱く感じます。
例えて言うと、
「酸度」が「1.5」で「アミノ酸度」が「1.0」なら「コク・旨み」が「ない・弱い」
「酸度」が「1.5」で「アミノ酸度」が「2.0」なら「コク・旨み」が「ある・強い」
お酒と言えます。

(4)香り
お酒によって「フルーティーな香りのするタイプ」、「フレッシュな香りのするタイプ」、「酒らしい濃厚な香りのするタイプ」など色々あります。
香りの目安になるのが「精米歩合」と「酒造年度」・「製造年月」です。(「精米歩合」は上段「1.1)米」)、(「酒造年度」・「製造年月」は「3.4)新酒と古酒」参照)
a)「フルーティーな香りのするタイプ」が飲みたい場合
一般的に、「精米歩合(%)」が小さいほど、フルーティーな香りが高くなります。
最近はほとんどの日本酒には「精米歩合(%)」が書いてあります。(ビン詰なら裏貼りなどに)
「フルーティーな香りのするもの」が飲みたい場合には、「精米歩合(%)」が「60%以下」 のお酒(吟醸酒)を選びましょう。
「さらに香り高いお酒」が飲みたい場合には、「精米歩合(%)」が「50%以下」のお酒(大吟醸酒)がおすすめですが、値段が高くなってしまいます。
しかし、「60%以下」と「50%以下」では、全然香り高さが違います。
少量飲むだけで満足できるので、冷蔵庫で保管してゆっくり飲めば、十分経済的に楽しめます。
このタイプの酒はすごくデリケートで香りや味が変化しやすいので、「酒造年度」・「製造年月」ともなるべく新しい酒を選びましょう。

b)「フレッシュな香りのするタイプ」が飲みたい場合
製造されて間もない「酒造年度」・「製造年月」が最新の「新酒」や「生酒」を選びましょう。
冷蔵設備が整った現在は、加熱殺菌していない「生酒」で「フレッシュな香り」が年中楽しめます。
秋にとれたお米で造られる「新酒」は「晩秋から冬」の間、「出来たてのフレッシュな香り」が期間限定で楽しめます。
「生酒」は加熱殺菌した通常の酒に較べて、倍以上品質の変化が進みやすいため、「製造年月」から2ヶ月以上経過した「生酒」は、「生酒」本来のフレッシュ感はなくなり、甘くだれた香りと味に変化していることが多いので注意が必要です。

c)「酒らしい濃厚な香りのするタイプ」が飲みたい場合
製造されて半年以上熟成された「酒造年度」が1年以上前の「古酒」を選びましょう。
一般的に、「精米歩合(%)」が大きいほど、酒らしい濃厚な香りがします。
「酒らしい濃厚な香りのするもの」が飲みたい場合には、「精米歩合(%)」が「65~70%」の「本醸造酒」や「純米酒」、「70%以上」の「普通酒」が おすすめです。
「さらに濃厚な香りのするお酒」が飲みたい場合には、3年~5年以上熟成させた「長期熟成酒」がおすすめです。
値段は少し高くなりますが、少量をゆっくり飲むお酒なので、長い間楽しむことが出来ます。
「長期熟成酒」は十分すぎるぐらい熟成していて、品質が変化しにくくなっているので、それほど「製造年月」を気にする必要はありません。

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2)美味しく飲むコツ

(1)日本酒を適温に冷やす
日本酒のタイプによって飲み頃の温度が違います。
一般的に、「フルーティーな香りのするタイプ」のお酒は、「すっきりした口当たり」と「フルーティーな香り」が特長なので、低温(5~10℃前後)で美味しく飲めます。
「フレッシュな香りのするタイプ」のお酒は、「すっきりした口当たり」と「フレッシュな香り」が特長なので、低温から常温(5~15℃前後)で美味しく飲めます。
「酒らしい濃厚な香りのするタイプ」のお酒は、「どっしりした口当たり」と「酒らしい濃厚な香りと味」が特長なので、常温(15~20℃前後)で美味しく飲めます。
「飲み易さ」だけを考えれば、低温であるほど「飲み易く」 なりますが、低温であるほど、香りはたたず、舌は味を感じにくくなるので、冷やしすぎるのもお勧め出来ません。

(2)お燗(かん)する
日本酒のタイプによって飲み頃の温度が違います。
一般的に、「フルーティーな香りのするタイプ」、「フレッシュな香りのするタイプ」のお酒は、あまりお燗に向きません。あえてお燗するなら、熱燗でフルーティーな香りを飛ばし、そのお酒を燗冷ましして、人肌(35℃前後)の温度になってから飲むと、意外と燗上がりすることがあります。
「酒らしい濃厚な香りのするタイプ」のお酒は、燗をするなら上燗(45℃前後)か熱燗(50℃前後)で美味しく飲めます。お燗するならこのタイプがお勧めですが、冷やで飲んで甘いと感じるお酒は、温度を上げると余計に甘く感じるようになるため、甘口のお酒は、人肌燗(35℃前後)がお勧めです。

美味しく飲むコツ

(3)適温を探す
現在は、冷蔵庫の機能の進化、電子レンジ及び家庭用の酒燗器の普及などにより、家庭でのお酒の保存や温度コントロールが簡単に出来るようになりました。
それぞれのタイプ、それぞれのお酒によって、それぞれ微妙に適温は違うので、温度を変えて飲んでみることで、そのお酒の適温が見つかるはずです。

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3)楽しんで飲む

(1)氷や水で割る
「アルコールがきつい」とか「甘すぎる」場合には、氷や水で割ると比較的飲みやすくなります。
特に、加水調整していない「原酒」は「きつい」と感じることが多いので、お好みで水を加えることをお勧めします。
最近は、お酒に少量の水を加えてから燗をつける「割り水燗」も流行っています。

楽しんで飲む

(2)日本酒同士を混ぜる
お中元やお歳暮で日本酒をもらって、同じ日本酒ばかり飲んでいると飽きることがあると思います。
そんな時は、違うタイプの日本酒と色々な割合で混ぜてみると新しい味を発見することがあります。
(3)日本酒リキュールを楽しむ
飲みづらい日本酒はリキュールにして飲むと比較的飲みやすくなります。
「甘口」の日本酒に「レモンスライス」を漬け込んでみたり、「辛口」の日本酒に「キュウリのスライス」を漬け込んでみたりすると意外と美味しく飲めることがあります。
(4)料理酒にする
色々試してみても美味しく飲めない場合には、残念ですが料理酒にするしかありません。
美味しくないお酒でも作りたい料理に合わせて使えば、料理を引き立てます。
時々、グルメ番組などで料理に大吟醸や高級ワインを使ったりしますが、高級な酒ほど料理が美味しくなるということはありません。
料理にコクを出したければ熟成した酒、甘味を出したければ甘口の酒、臭みを消したければ辛口の酒や焼酎などと使い分けることが大事です。香りの強い大吟醸や味の濃い純米酒など特徴のある酒は、料理には使いづらいですし、使うにしても使用量に気をつけましょう。

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5.酒造りの仕組み

普段何気なく飲んでいるお酒ですが、酒造りの話となると難しいイメージがあります。
しかし、基本的な酒造りの仕組みは、それほど難しいものではありません。
難しい専門用語を解かりやすく解説しています。

1)発酵(はっこう)

発酵というと難しく聞こえますが、簡単にいうと腐って分解されることです。
酒に関していえば、酵母がブドウ糖などの糖分を元にして、アルコールを作ることをいいます。
このことを発酵(はっこう)(アルコール発酵)といい、出来たお酒を醸造酒(じょうぞうしゅ)といいます。 酵母とは簡単にいってしまうと、糖分を食べて、アルコールと炭酸ガス(二酸化炭素)を出す微生物です。

糖 分 酵 母
アルコール 炭酸ガス(二酸化炭素)

(1)酵母(こうぼ)
一言に酵母といっても、実際には色々な種類の酵母がいます。
お酒を造る「清酒酵母」、「ワイン酵母」、「ビール酵母」などや、それ以外にも「醤油や味噌を造る酵母」や「パン酵母」などもがいます。
酒を造る酵母はアルコールの生産能力が高く、醤油や味噌を造る酵母はタンパク質をアミノ酸(旨み成分)に分解する能力が高いなど、それぞれに個性があります。
お酒を造る酵母は「液体の表面で活発に発酵する上面発酵酵母」と「液体の中で活発に発酵する下面発酵酵母」に分けることが出来ます。
・上面発酵酵母‥‥清酒酵母、ワイン酵母、ビール酵母(エールなど)
・下面発酵酵母‥‥ビール酵母(ラガー)
それぞれの酵母にはさらに色々な種類があり、酵母によって出来るお酒の香りや味はかなり違ってきます。同じ酵母でも発酵するときの温度によって、香りや味が微妙に変化します。

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2)糖化(とうか)

原材料がもともと糖分を含んでいれば、そこに水と酵母を加えるだけで発酵が始まります。
しかし、原材料が米や麦などのデンプン質の場合には、デンプンを糖分に変える必要があります。
デンプンを糖分に変えることを糖化(とうか)といいます。
糖化には糖化酵素(とうかこうそ)というものが必要になります。
糖化にはおもに以下の三つの方法があります。
(1)口に入れて噛(か)む
ご飯やパンを長く噛んでいると甘く感じるのは唾液に糖化酵素が含まれているからです。
(2)発芽(はつが)させる
ビールやウイスキーなどに使う麦芽とは、大麦に適度な水分と酸素を与えて高温多湿で芽を出させ、焙燥(ばいそう)(熱風であぶって乾燥すること)したものです。
大麦は発芽して麦芽になる時に、デンプンを糖分に分解する糖化酵素を造り、糖分からエネルギーを得て発芽します。
(3)カビさせる
日本酒や焼酎などに使う麹(こうじ)とは、蒸した米を高温多湿でカビさせたものです。(麹菌というカビの一種)
米でつくれば米麹、麦でつくれば麦麹になります。
こうじ菌は米などで繁殖する時に、デンプンを糖分に分解する糖化酵素を造り、糖分からエネルギーを得て繁殖します。

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3)酒造りの基本的な三つのパターン

(1)糖分をそのまま発酵

糖 分 酵 母
アルコール
(ワインなど)
炭酸ガス
(炭酸ガスを閉じ込めればシャンパン)

(2)デンプンを糖化して、糖分を発酵

(ステップ1)

デンプン 糖化酵素
糖 分

(ステップ2)

糖 分 酵 母
アルコール
(蒸留すればウイスキー)
炭酸ガス
(炭酸ガスを閉じ込めればビール)

(3)デンプンを糖化しながら、発酵を同時に行う

(ステップ1)

デンプン 糖化酵素
糖 分 酵 母
アルコール
(日本酒など)
炭酸ガス

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4)蒸留(じょうりゅう)

発酵して出来たお酒(醸造酒)のアルコール分は数%から20%までです。
出来たお酒を熱して、温度を上げると蒸発がはじまります。
アルコールは水やエキス分より比重が軽いため、アルコールのほうが先に蒸気になります。
アルコールがほとんど蒸気になったところで、熱するのを止め、蒸気が常温まで冷えて液体に戻ると、アルコール分の高いお酒が出来ます。
このことを蒸留(じょうりゅう)といい、出来たお酒を蒸留酒(じょうりゅうしゅ)といいます。
何度も蒸留することで、水やエキス分をさらに分離して、ウォッカやテキーラのようなアルコール分が高く、クリアーなお酒を作ることが出来ます。
日本の焼酎もこの蒸留酒になります。
酒税法では、1回だけ蒸留した焼酎を「乙類焼酎」(本格焼酎)、2回以上蒸留した焼酎を「甲類焼酎」と分類しています。

醸造酒 蒸 留
蒸留酒(高アルコール酒) 残液(水とエキス分など)
(泡盛の残液をさらに発酵
させたものが「もろみ酢」)

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